ブロッサム (ハヤカワ・ミステリ文庫―アウトロー探偵バーク・シリーズ)



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ブロッサム (ハヤカワ・ミステリ文庫―アウトロー探偵バーク・シリーズ)

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「兄弟」という名の絆

 バークのもとに昔、刑務所で一緒だった男の妻が訪ねてきた。現在堅気に戻った彼は、彼女のいとこの息子がカップル連続狙撃犯の容疑をかけられたため、甥共々逃亡中だという。「兄弟」の危機に、バークはホームグラウンドのN.Yを離れ、インディアナの片田舎へ向かう。そこでブロッサムという名の女と出会い、成り行きで彼女と手を組むことになるが。

 本書の読み所は、N.Yから遠く離れ単身で田舎町に乗り込んだバークが、ほとんど仲間たちの援助を得る事無く、単身で事件の真犯人を探さなくてはならないというシチュエーションである。また、ここの物語で表される「兄弟」とは、血縁関係のない、あくまで相互の信頼だけで結ばれている強い絆の関係のことだ。「兄弟」の求めやその身に危機が迫るときには、駆け付け力になる。そんな単純だが力強い絆を羨ましく思った。

 また、今回タイトル・ロールに名前を冠したブロッサムは、それまでの過去の悲劇的な体験に人生を狂わされた女性とは全くタイプの異なる、知的且つ勇気のある、銃の扱いにも長ける様な女性だ。ともすれば先走りそうになる彼女を、何とか自分のペースにおこうと苦慮するバークの姿がいつになくコミカル。



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